「とてつもなく困難な状況」 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
(1号機ではウランが格納容器の外にまで落ちているということでいいか?)
最後の防壁である格納容器が既に壊れて放射能が外に出ている可能性が高い。
( 出てきている数字、放射性物質から、2と3号機に破損があるかどうかは分かる?)
それは分かる。必ず破損している。2号機は圧力抑制室(サプレッションチェンバー)で爆発があり穴があいている。3号機も圧力が上がらないことから穴が開いていることは明らか。
2011年5月27日金曜日
2011年5月26日木曜日
葛飾区の水元公園内草地の地表の毎時0・618マイクロシーベルト
共産党都議団によると、学識経験者の協力で都議らが測定した。地上1メートルの地点では、
葛飾区の金町浄水所付近の草地0・3
足立区東綾瀬の草地0・257
江東区亀戸公園敷地内0・186(すべて毎時マイクロシーベルト)
--と、都内東部の放射線量が比較的高かったという。
測定結果について(単位は全てμSv/h)
日本共産党東京都議会議員団
東京都健康安全センターが地上18mでおこなっている環境放射線量測定によると、5月の一日単位の平均値は、0.068〜0.062であった。同センターによると地上1mでもほぼ同様の値であったとしている。しかし、私たちが地上1mでおこなった測定では、この程度の濃度だった地域は大田区、杉並区、町田市など、都内全域で見るとごく限られた範囲であった。比較的高い地域は、青梅市、あきる野市、練馬区が0.09台、江戸川区〜江東区の湾岸地域が0.1台、最も高い地域が足立区〜葛飾区で0.2〜0.3台である。
足立区、葛飾区、江戸川区など東部に0.18〜0.39など高線量率の地域が集中している。豊洲埋立地の高線量率も、東部の高線量率地域と連続するものと考えられる。この地域で地上0mで測定した結果、0.618という地点があった。
江東区から練馬区を結ぶ線以東の地域は年間1mSv以上の放射線量となっている可能性がある。
新宿区内、それも約3.5kmという限られた範囲内の測定でも、0.066〜0.116と大きな開きがある。
同一地域で見ると、草地上部、木立周辺の放射線量が他に比較して高かった。
福島県いわき市江名港での5月5日測定では、アカモク(海藻)から放射性ヨウ素が基準値の60倍、セシウムが3倍でした(フランス環境団体測定)。 また四倉港のコンブ(5月5日)はヨウ素が50倍、セシウムが4倍
元原子力委員会専門委員武田邦彦 (中部大学)
夏に向かって、魚の汚染が進み、貝、海藻の心配が増えます.また釣り、潮干狩り、サーフィン、海水浴のシーズンになりますが、国を失った民は当面、データがでないから諦めなければならないでしょう。
そのほかにもいくつか、問題点があります。
1)
今回は、データ自身のつじつまは合っていますが、外国の環境団体のもので、信頼性がまだ十分ではないこと、
2)
海ではストロンチウム、プルトニウムが問題だが、まだデータが無いこと、
3)
この汚染がどのぐらい拡がっているかが判らないこと、
4)
海藻の汚染が早く、魚(中型が今から、大型が7月からと予想していましたが)の汚染が少し早まる可能性があること、
5)
基準値は「それだけが汚染されている」という基準だから、「足し算」をしなければならない時には、基準値を10分の1にしなければならないから、すでに100倍ぐらいもあり得る、
ということです。
具体的には、三陸沖、北海道、四国沖、九州沖、沖縄、日本海以外の海産物は買わないほうがよいでしょう。
夏に向かって、魚の汚染が進み、貝、海藻の心配が増えます.また釣り、潮干狩り、サーフィン、海水浴のシーズンになりますが、国を失った民は当面、データがでないから諦めなければならないでしょう。
そのほかにもいくつか、問題点があります。
1)
今回は、データ自身のつじつまは合っていますが、外国の環境団体のもので、信頼性がまだ十分ではないこと、
2)
海ではストロンチウム、プルトニウムが問題だが、まだデータが無いこと、
3)
この汚染がどのぐらい拡がっているかが判らないこと、
4)
海藻の汚染が早く、魚(中型が今から、大型が7月からと予想していましたが)の汚染が少し早まる可能性があること、
5)
基準値は「それだけが汚染されている」という基準だから、「足し算」をしなければならない時には、基準値を10分の1にしなければならないから、すでに100倍ぐらいもあり得る、
ということです。
具体的には、三陸沖、北海道、四国沖、九州沖、沖縄、日本海以外の海産物は買わないほうがよいでしょう。
2011年5月25日水曜日
2011年5月24日火曜日
「2011年5月23日12時の計測結果によると、1号機の原子炉放射線量は前日よりさらに上昇の201Sv/hです。 これは極めて危険なレベルの放射線量です。風下の住民に深刻な放射線障害を引き起こす可能性があります。」
2011年5月23日月曜日
放射性物質 6京ベクレルぐらいが日本の大地に降り注いだ
元原子力委員会専門委員武田邦彦(中部大学教授)
福島原発の事件も第3段階に入りつつあります.
福島原発の破裂で最初の1週間で60京ベクレルほどの放射性物質が出ました。
60京というと余りに大きいので、わかりにくいのですが、
そのうちの10分の1、6京ベクレルぐらいが日本の大地に降り注いだと思います。
そして、福島、東京などこの地方にお住みで直接に影響を受けた人を3000万人としますと、
一人あたり、20億ベクレルの放射性物質ということになります。
放射性物質の多くが最初の段階で1000分の1ぐらいになりますから、
20億ベクレルと言っても、
実際に私たちに影響があるのは、「一人あたり200万ベクレル」
というところでしょう。
水、ホウレンソウ、お米、お茶・・・
いろいろな食材の「汚染限度」はおおよそ200ベクレルぐらいですから、
その1万倍の放射性物質が空から降ってきたと言うことになります。
実は、私が「慎重に行動してください」と呼びかけてきたのは、今度の事故で放出された放射性物質は実に膨大で、どんな専門家でも、その影響をすぐ予想できるようなものではないのです。
福島原発の事件も第3段階に入りつつあります.
福島原発の破裂で最初の1週間で60京ベクレルほどの放射性物質が出ました。
60京というと余りに大きいので、わかりにくいのですが、
そのうちの10分の1、6京ベクレルぐらいが日本の大地に降り注いだと思います。
そして、福島、東京などこの地方にお住みで直接に影響を受けた人を3000万人としますと、
一人あたり、20億ベクレルの放射性物質ということになります。
放射性物質の多くが最初の段階で1000分の1ぐらいになりますから、
20億ベクレルと言っても、
実際に私たちに影響があるのは、「一人あたり200万ベクレル」
というところでしょう。
水、ホウレンソウ、お米、お茶・・・
いろいろな食材の「汚染限度」はおおよそ200ベクレルぐらいですから、
その1万倍の放射性物質が空から降ってきたと言うことになります。
実は、私が「慎重に行動してください」と呼びかけてきたのは、今度の事故で放出された放射性物質は実に膨大で、どんな専門家でも、その影響をすぐ予想できるようなものではないのです。
ストロンチウムは魚の体の中に入り、骨に取り込まれ、その魚を食べた人間が骨にストロンチウムがたまって、白血病になります。
元原子力委員会専門委員武田邦彦(中部大学教授)
「茨城産のホウレンソウは当面、買うことが出来ません。」
「茨城産のお茶の葉は買えません。」
「今回の福島原発では、大量の放射線を持つ水が海水に放出されました。その中にはストロンチウムとプルトニウムが相当含まれていると考えられます。」
「その分析値も東電から発表されていません。ストロンチウムは魚の体の中に入り、骨に取り込まれ、その魚を食べた人間が骨にストロンチウムがたまって、白血病になります。」
「だから、魚が安全だというのなら、まずストロンチウムを測定しなければいけません。特にストロンチウムは比重が大きいので、海の底にたまっていると考えられます。」
「静岡産のお茶を買わない方がいい」
「茨城産のホウレンソウは当面、買うことが出来ません。」
「茨城産のお茶の葉は買えません。」
「今回の福島原発では、大量の放射線を持つ水が海水に放出されました。その中にはストロンチウムとプルトニウムが相当含まれていると考えられます。」
「その分析値も東電から発表されていません。ストロンチウムは魚の体の中に入り、骨に取り込まれ、その魚を食べた人間が骨にストロンチウムがたまって、白血病になります。」
「だから、魚が安全だというのなら、まずストロンチウムを測定しなければいけません。特にストロンチウムは比重が大きいので、海の底にたまっていると考えられます。」
「静岡産のお茶を買わない方がいい」
2011年5月21日土曜日
2011年5月20日金曜日
大阪の雨水から、セシウム134が8.3メガ・ベクレル/k㎡、セシウム137が7.9メガ・ベクレル/k㎡(これまでの最高値の100倍以上の値)検出。年間被ばく放射線量に換算合計で0.218マイクロシーベルト
2011年5月19日木曜日
2011年5月18日水曜日
2011年5月17日火曜日
放射線と体
放射線と体
武田邦彦教授 (中部大学)5月11日 ホームページより
読者の方から次の記事を送っていただきました。
「爆発翌日、確認しながら公表せず 福島県、国の拡散予測図
福島県は非常時の初期段階で放射性物質の広がりや濃度を予測する国のシステム(SPEEDI)のデータを東京電力福島第1原発1号機が水素爆発を起こした翌日の3月13日に確認したが、公表していなかった。6日の自民党県議会議員会政調会で県が明らかにした。」
本当にひどいと思います。 SPEEDIを管理しているのは、原子力安全委員会ですが、そこが公表しなかったのも問題ですし、また福島県がそれを押さえたとしたら、さらに大きな問題と思います。
というのは、このブログでも再々申し上げていますように、原子力の専門家であれば原発の事故では最初の2週間ぐらいが最も危険で、それを逃げ切ってしまえば、全体の被ばく量を10分の1ぐらいに減らす可能性があるからです。
加えて、原子力は「危険」なので、原子力基本法で「民主、自主、公開」を原則としています.
従って、この「SPEEDI事件」は「国による原子力基本法違反」ですから、法的な追求をするのに該当します.
・・・・・・・・・
もう一つ、国による法律違反が進められています.
それは「校庭の表土を下の土と入れ替える」ということで、これは「汚染された表土」という「放射性廃棄物」を「土の中に無防備に入れる」ことを意味しています.
やがて、梅雨になると下に入れた土から放射性物質が「地下水」に紛れ込むでしょう.
「汚染された表土のような低レベル廃棄物」は厳重に囲った「廃棄物処理場」に格納するのが決まりで、それによって地下水の汚染を防ぎます. 文科省はこのような基本的な法律を違反するというのはどういうことでしょうか。
また、ここでも「民主、自主、公開」の原則は無視され、「土をひっくり返したら地下水が汚染される」という異議を「非民主的」に否定し、「決定の理由の公開(なぜ違反するのか)」もしていません。
・・・・・・・・・
ホットスポットの地図を出しましたので、該当する所の方が大変心配しておられますが、それでも茨城県や栃木県の北部とそれほど大きく違いませんし、放射性物質の飛散は必ずホットスポットを伴いますので、それ事態は異常なことではありません.
ただ、その地域では、東京のようにあまり注意しなくていいという段階になるのが遅れるということですので、少しの間、注意をしていただきたいと思います。
できれば地域で積極的に道路を水で洗ったり、校庭の表土をとったりすれば早く放射線が減ります。
・・・・・・・・・
ところで今日の主題は、「放射線と人体」という事の本質を少し考えてみたいと思います。
人間が放射線に当たるとDNAなどに損傷受けることは知られています。このことは専門家の間ではいわば常識なのですが、それを否定する先生方もおられます.
そこで、わたくしはこの2、3日、100ミリシーベルトまで大丈夫と言っている先生方の著述物をじっくりと読んでみました。
実はその先生がたは、そうそうたるメンバーで、国際的な放射線防護の委員会の委員であったり、国立の放射線防護の関係の研究の方であったり、著名な大学の先生だったりしています。
つまり、今まで「1年1ミリシーベルトという日本の法律を決めてきた人たち」が、「100ミリシーベルとでも大丈夫」と言っておられることに注目して、なにが著名な先生方が突然、法律違反を始められたのか?から考えて見たわけです。
・・・・・・・・・
結論から言いますと、わたくしは著述物や発言を調べて、次のように思いました。
● 10年ぐらい前までは多くの先生方は「少量の被曝でも、量に応じてがんが増えると考えていたこと、
● その後、放射線医療やチェルノブイリの研究等を通じて、少量の被曝では、あまりがんが発生しないこと、治療で少量の被曝を試みてみると、かえってガンが少なくなることもあるなどがわかってきたこと、
● さらにデータを集めたり、国際的に議論をして、今までの基準を変える働きをしようと思っている矢先に、福島原発の事故が起こったこと、
このようなタイミングになったので、先生がたは、
「自分たちで決めた法律を、自分たちが違反する」
という奇妙な状態に陥ったようです。
・・・・・・・・・
次にデータですが、先生方が実験的に得られたデータだけ見ると、低い被曝量のときには、あまり危険性がないようにも見えます。
しかし、2つの問題が残っています.
まず一つは、原理的に考えるとまだまだ不明確であるということです。
放射線というのは大変にエネルギーの強い光ですから、 DNAが放射線の攻撃にあうと、 DNA の一部に損傷が起こることはよく知られています。
たとえば、放射線よりも弱いエネルギーをもつ紫外線でも DNA の上にチミンーチミンと重なっているところは、チミンダイマーが発生し、そこが皮膚ガンの原因になることはよく知られています。
放射線はそれよりも強いので、 DNAに損傷が起こることは間違いありません。
人間は「有機化合物」という比較的、弱い材料で出来ていますし、放射線のエネルギーは有機化合物を破壊するために必要なエネルギーを遙かに超えているからです。
もし「放射線は安全だ」ということになると、皮膚科の先生が注意されている「日光浴は有害だ」というのも間違いになりますし、私が長年、研究してきた「生物類似の材料の劣化」ともまったく一致しません.
・・・・・・
一方、 人間は、自然からのストレスに対して抵抗力で直すことができますが、そのレベルは人間の集団が生きてきた環境に依存します.
この場合は、自然放射線が1年に1.4ミリシーベルトとですので、数ミリシーベルトまでは修復が可能と思います.
でも、たとえば100ミリシーベルトというとそれの60倍にあたります。人間の防御能力が、環境からのストレスの60倍にも耐えられるというのはかなり珍しいと言えます。
・・・・・・・・・
また、「被曝するということは体内に活性酸素ができることであり、放射線によって直接 DNA 等に影響を及ぼすものではない」という考えの先生もられます。
放射線が酸素だけを攻撃して、酸素を活性化するという考えは、今までの学問とまったく異なるので、今までの理論を大幅に修正しなければなりません。
わたくしのように物理とか化学を専門としているものにとっては、放射線のようなエネルギーの強い光が来たときに、酸素だけが励起されて、その他の体を構成する分子に影響が及ばないなどということは、分子の軌道計算などから、到底、納得できないものです。
このように、これまでの学問に真っ向から反する理論というのは、それを国際的に通用させるために相当な時間が必要であるということを意味しています。
この問題は学問だけの問題ではなく、一人一人の健康に影響を及ぼしますから世界的な合意が得られるまでに、ある個人の先生のご意見だけで被曝の上限値を上げることは、人体実験になることを意味しています.
・・・・・・・・・
もう一つは100ミリを主張する先生方のデータの数が少ないと思います。
根拠となっている「放射線治療を受ける人」は、患者の集団としては特殊で、満遍なく100ミリ以下の被爆をした人の健康のデータは示されていません。
また、議論の過程で疑問なのは、医師自身が「わたくしは1年に20ミリずつ被曝しているけれど大丈夫だ」とか、Aという患者は200ミリの治療を受けても、今元気になっているという個別のデータです。
もともと100ミリ以下の被爆の影響は「集団としての発症」を問題にしているのですから。個別の例を示しても反論にはなっていないからです。
これらのことを総合してみると、現在ではやはり国際放射線防護委員会が定めた。1年1ミリの基準を安全として見ることが最も適切あるという結論になります。
・・・・・・・・・
ところで、学校や地方自治体で、
「1年1ミリを越える可能性のある場所でも、このくらいの放射線量なら安全だ」
という人がいるそうですが、法律で1年1ミリと決まってるものを、学校や地方自治体など法律を守らなければならない公共の機関が法律を否定するというのは、よほど考えなければなりません。
学校の独立性といい、地方の時代と言ってきました。普段、それを主張しているのなら、国が法律を破ったときに、自分たちは法律を守って子供たちを大切にするというぐらいの強い決意を示してもらいたいものです。
(平成23年5月11日 午前8時 執筆)
武田邦彦教授 (中部大学)5月11日 ホームページより
読者の方から次の記事を送っていただきました。
「爆発翌日、確認しながら公表せず 福島県、国の拡散予測図
福島県は非常時の初期段階で放射性物質の広がりや濃度を予測する国のシステム(SPEEDI)のデータを東京電力福島第1原発1号機が水素爆発を起こした翌日の3月13日に確認したが、公表していなかった。6日の自民党県議会議員会政調会で県が明らかにした。」
本当にひどいと思います。 SPEEDIを管理しているのは、原子力安全委員会ですが、そこが公表しなかったのも問題ですし、また福島県がそれを押さえたとしたら、さらに大きな問題と思います。
というのは、このブログでも再々申し上げていますように、原子力の専門家であれば原発の事故では最初の2週間ぐらいが最も危険で、それを逃げ切ってしまえば、全体の被ばく量を10分の1ぐらいに減らす可能性があるからです。
加えて、原子力は「危険」なので、原子力基本法で「民主、自主、公開」を原則としています.
従って、この「SPEEDI事件」は「国による原子力基本法違反」ですから、法的な追求をするのに該当します.
・・・・・・・・・
もう一つ、国による法律違反が進められています.
それは「校庭の表土を下の土と入れ替える」ということで、これは「汚染された表土」という「放射性廃棄物」を「土の中に無防備に入れる」ことを意味しています.
やがて、梅雨になると下に入れた土から放射性物質が「地下水」に紛れ込むでしょう.
「汚染された表土のような低レベル廃棄物」は厳重に囲った「廃棄物処理場」に格納するのが決まりで、それによって地下水の汚染を防ぎます. 文科省はこのような基本的な法律を違反するというのはどういうことでしょうか。
また、ここでも「民主、自主、公開」の原則は無視され、「土をひっくり返したら地下水が汚染される」という異議を「非民主的」に否定し、「決定の理由の公開(なぜ違反するのか)」もしていません。
・・・・・・・・・
ホットスポットの地図を出しましたので、該当する所の方が大変心配しておられますが、それでも茨城県や栃木県の北部とそれほど大きく違いませんし、放射性物質の飛散は必ずホットスポットを伴いますので、それ事態は異常なことではありません.
ただ、その地域では、東京のようにあまり注意しなくていいという段階になるのが遅れるということですので、少しの間、注意をしていただきたいと思います。
できれば地域で積極的に道路を水で洗ったり、校庭の表土をとったりすれば早く放射線が減ります。
・・・・・・・・・
ところで今日の主題は、「放射線と人体」という事の本質を少し考えてみたいと思います。
人間が放射線に当たるとDNAなどに損傷受けることは知られています。このことは専門家の間ではいわば常識なのですが、それを否定する先生方もおられます.
そこで、わたくしはこの2、3日、100ミリシーベルトまで大丈夫と言っている先生方の著述物をじっくりと読んでみました。
実はその先生がたは、そうそうたるメンバーで、国際的な放射線防護の委員会の委員であったり、国立の放射線防護の関係の研究の方であったり、著名な大学の先生だったりしています。
つまり、今まで「1年1ミリシーベルトという日本の法律を決めてきた人たち」が、「100ミリシーベルとでも大丈夫」と言っておられることに注目して、なにが著名な先生方が突然、法律違反を始められたのか?から考えて見たわけです。
・・・・・・・・・
結論から言いますと、わたくしは著述物や発言を調べて、次のように思いました。
● 10年ぐらい前までは多くの先生方は「少量の被曝でも、量に応じてがんが増えると考えていたこと、
● その後、放射線医療やチェルノブイリの研究等を通じて、少量の被曝では、あまりがんが発生しないこと、治療で少量の被曝を試みてみると、かえってガンが少なくなることもあるなどがわかってきたこと、
● さらにデータを集めたり、国際的に議論をして、今までの基準を変える働きをしようと思っている矢先に、福島原発の事故が起こったこと、
このようなタイミングになったので、先生がたは、
「自分たちで決めた法律を、自分たちが違反する」
という奇妙な状態に陥ったようです。
・・・・・・・・・
次にデータですが、先生方が実験的に得られたデータだけ見ると、低い被曝量のときには、あまり危険性がないようにも見えます。
しかし、2つの問題が残っています.
まず一つは、原理的に考えるとまだまだ不明確であるということです。
放射線というのは大変にエネルギーの強い光ですから、 DNAが放射線の攻撃にあうと、 DNA の一部に損傷が起こることはよく知られています。
たとえば、放射線よりも弱いエネルギーをもつ紫外線でも DNA の上にチミンーチミンと重なっているところは、チミンダイマーが発生し、そこが皮膚ガンの原因になることはよく知られています。
放射線はそれよりも強いので、 DNAに損傷が起こることは間違いありません。
人間は「有機化合物」という比較的、弱い材料で出来ていますし、放射線のエネルギーは有機化合物を破壊するために必要なエネルギーを遙かに超えているからです。
もし「放射線は安全だ」ということになると、皮膚科の先生が注意されている「日光浴は有害だ」というのも間違いになりますし、私が長年、研究してきた「生物類似の材料の劣化」ともまったく一致しません.
・・・・・・
一方、 人間は、自然からのストレスに対して抵抗力で直すことができますが、そのレベルは人間の集団が生きてきた環境に依存します.
この場合は、自然放射線が1年に1.4ミリシーベルトとですので、数ミリシーベルトまでは修復が可能と思います.
でも、たとえば100ミリシーベルトというとそれの60倍にあたります。人間の防御能力が、環境からのストレスの60倍にも耐えられるというのはかなり珍しいと言えます。
・・・・・・・・・
また、「被曝するということは体内に活性酸素ができることであり、放射線によって直接 DNA 等に影響を及ぼすものではない」という考えの先生もられます。
放射線が酸素だけを攻撃して、酸素を活性化するという考えは、今までの学問とまったく異なるので、今までの理論を大幅に修正しなければなりません。
わたくしのように物理とか化学を専門としているものにとっては、放射線のようなエネルギーの強い光が来たときに、酸素だけが励起されて、その他の体を構成する分子に影響が及ばないなどということは、分子の軌道計算などから、到底、納得できないものです。
このように、これまでの学問に真っ向から反する理論というのは、それを国際的に通用させるために相当な時間が必要であるということを意味しています。
この問題は学問だけの問題ではなく、一人一人の健康に影響を及ぼしますから世界的な合意が得られるまでに、ある個人の先生のご意見だけで被曝の上限値を上げることは、人体実験になることを意味しています.
・・・・・・・・・
もう一つは100ミリを主張する先生方のデータの数が少ないと思います。
根拠となっている「放射線治療を受ける人」は、患者の集団としては特殊で、満遍なく100ミリ以下の被爆をした人の健康のデータは示されていません。
また、議論の過程で疑問なのは、医師自身が「わたくしは1年に20ミリずつ被曝しているけれど大丈夫だ」とか、Aという患者は200ミリの治療を受けても、今元気になっているという個別のデータです。
もともと100ミリ以下の被爆の影響は「集団としての発症」を問題にしているのですから。個別の例を示しても反論にはなっていないからです。
これらのことを総合してみると、現在ではやはり国際放射線防護委員会が定めた。1年1ミリの基準を安全として見ることが最も適切あるという結論になります。
・・・・・・・・・
ところで、学校や地方自治体で、
「1年1ミリを越える可能性のある場所でも、このくらいの放射線量なら安全だ」
という人がいるそうですが、法律で1年1ミリと決まってるものを、学校や地方自治体など法律を守らなければならない公共の機関が法律を否定するというのは、よほど考えなければなりません。
学校の独立性といい、地方の時代と言ってきました。普段、それを主張しているのなら、国が法律を破ったときに、自分たちは法律を守って子供たちを大切にするというぐらいの強い決意を示してもらいたいものです。
(平成23年5月11日 午前8時 執筆)
2011年5月14日土曜日
2011年5月12日木曜日
福島第一原発の1号機 燃料が溶けて圧力容器の底にたまり、かろうじて水で冷やされている可能性
福島第一原発の1号機は、
水棺をめざし、
注入が続けられていたが、
計器類の修理の結果、
圧力容器にも格納容器にも
ほとんど水が残っていないことが
報じられました。
これまで4mの燃料棒の半分は水につかってるとしてきたが
すでに溶け落ち
圧力容器の底にたまっていると想定された。
http://www.mbs.jp/news/jnn_4723045_zen.shtml
水棺をめざし、
注入が続けられていたが、
計器類の修理の結果、
圧力容器にも格納容器にも
ほとんど水が残っていないことが
報じられました。
これまで4mの燃料棒の半分は水につかってるとしてきたが
すでに溶け落ち
圧力容器の底にたまっていると想定された。
http://www.mbs.jp/news/jnn_4723045_zen.shtml
2011年5月11日水曜日
2011年5月10日火曜日
水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと
三重大学 生物資源学部 准教授勝川俊雄氏 公式サイト
海に放出された放射性物質はどこに向かうのか?
1-外向きの流れに取り込まれ、外洋へと向かいます
2-沿岸流に取り込まれ、沿岸伝いに拡散していきます
ポイント
●海水の汚染の流出を食い止めるのが重要→安全性の議論ができるのは、汚染の進行が止まってから
●魚は環境の100倍の濃度にセシウムを濃縮する→海水からセシウムが不検出でも安心できない
●放射性物質は、食物連鎖を通して循環する→食物連鎖を通じた移動に注意
●海水魚に蓄積されたセシウムが半分になるのに50日かかる→数ヶ月~数年オーダーで汚染は残る
●汚染の度合いから、浄化に必要な時間の予測は可能
子供に食べさせる場合
子供の健康リスクはわからない部分も多いし、短期的にはヨウ素、長期的にはストロンチウムが心配なので、予防的に避けます。
1.茨城・福島・宮城→放射能流出終了後、安全が確認されるまで徹底して避けます
2.6月ぐらいまでは、大気経由のヨウ素が心配なので、念のため関東の浮魚は避けます
3.生態系全体の汚染状況が把握できるまでは、日本海の魚、神奈川以西の定住魚(プランクトン食ならなお安心)、輸入魚、イカを中心のシフト。
自分が食べる場合
中年&子作り予定無しなので、危険度Cの魚は気にせず食べます。といっても、現状では、危険度A, Bの魚はほとんど流通していないので、普通に買い物してもそれほど目にする機会は無いです。
汚染水の通過経路を外れた魚は、現状では汚染の確率は低いです。移動があるから、確率はゼロではないけど、交通事故みたいなもの。また、汚染されているとしても、数百ベクレル程度だろうから、少しぐらい食べても、大人なら発がんリスクがほんの少し上がるだけ(この根拠は時間があれば、後日書きます)。特に長生きしたいとも思わないので、気にしない。むしろ、神経質になったり、魚を食べずにバランスの偏った食生活を送る方が、健康に悪いと思います。
チェルノブイリを超えた。チェル最高148~370万、福島300~3,000万ベクレル。8日の共同会見で認める。
セシウム汚染、チェルノブイリ超え
NHKの石川氏の共同記者会見での発言
「航空モニタリングなのですが、私の経験ですけれど非常に有効な手段なので
文部科学省なりしっかり準備を整えて欲しいという事と
その結果見てちょっと驚いたんですけれど。
文部科学省にちょっと、確認なんですけれど。
これ単位、土壌の蓄積量って単位間違えてないですか?
たとえば赤いところってほんとに300万ベクレルなんですか?
あの、セシウム137とかですね・・・
この数値をみるだけだと、ほんとうに驚くべき数値なので、僕は本当に驚いているんですけれど。」
2011年5月7日土曜日
3号機は4月下旬以降、圧力容器の温度上昇 3号機では、燃料棒が入っている圧力容器の下部の温度が7日午前5時現在で149.6度。約110度で安定していた4月下旬と比べ、40度近く高くなっている。
3号機の注水経路を変更へ 東電、炉内への供給量を確保
炉内に水が十分に届いていない可能性がある。
炉内に水が十分に届いていない可能性がある。
2011年5月6日金曜日
2011年5月4日水曜日
2011年5月3日火曜日
内部被ばく臓器 等価線量の積算線量 (3月12日〜3月24日SPEEDIによる試算値)
12日間で100ミリシーベルトのヨウ素内部被曝が、飯舘村、川俣町、南相馬市まで及んでいることがわかる。
(※「SPEEDI」の運用は、文部科学省により原子力安全委員会事務局の執務室に派遣された(財)原子力安全技術センターのオペレーターによって行われている。)
これをみると3月12日の震災翌日から予想データがある。
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/past.html
にもかかわらず、3月23日の発表では、
3月16日より検討をしてきて
3月20日に風向きが変わったので可能となって
3月23日に発表に至ったとある。
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/0312-0324_in.pdf
(※「SPEEDI」の運用は、文部科学省により原子力安全委員会事務局の執務室に派遣された(財)原子力安全技術センターのオペレーターによって行われている。)
これをみると3月12日の震災翌日から予想データがある。
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/past.html
にもかかわらず、3月23日の発表では、
3月16日より検討をしてきて
3月20日に風向きが変わったので可能となって
3月23日に発表に至ったとある。
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/0312-0324_in.pdf
2011年5月2日月曜日
高濃度セシウム 郡山市の下水処理場
汚泥からセシウムを1キログラム当たり2万6400ベクレル、
溶融スラグから同じく33万4千ベクレルを検出した。
原発事故前の溶融スラグは同246ベクレルだった。
溶融スラグとは、廃棄物や下水汚泥の焼却灰等を1300℃以上の高温で溶融したものを冷却し、固化させたガラス状の物質のこと。
2011年5月1日日曜日
「事故時でも無限に被曝してはいけない.被曝量は20ミリに制限し、早くその状態を離脱すること」元原子力安全委員会専門委員 武田邦彦
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