2011年5月23日月曜日

放射性物質 6京ベクレルぐらいが日本の大地に降り注いだ

元原子力委員会専門委員武田邦彦(中部大学教授)

福島原発の事件も第3段階に入りつつあります.

福島原発の破裂で最初の1週間で60京ベクレルほどの放射性物質が出ました。
60京というと余りに大きいので、わかりにくいのですが、
そのうちの10分の1、6京ベクレルぐらいが日本の大地に降り注いだと思います。
そして、福島、東京などこの地方にお住みで直接に影響を受けた人を3000万人としますと、
一人あたり、20億ベクレルの放射性物質ということになります。

放射性物質の多くが最初の段階で1000分の1ぐらいになりますから、
20億ベクレルと言っても、
実際に私たちに影響があるのは、「一人あたり200万ベクレル」
というところでしょう。

水、ホウレンソウ、お米、お茶・・・
いろいろな食材の「汚染限度」はおおよそ200ベクレルぐらいですから、
その1万倍の放射性物質が空から降ってきたと言うことになります。


実は、私が「慎重に行動してください」と呼びかけてきたのは、今度の事故で放出された放射性物質は実に膨大で、どんな専門家でも、その影響をすぐ予想できるようなものではないのです。