高知県太平洋核実験被災支援センター事務局長山下正寿↓
ビキニ水爆実験の時も、マーシャル諸島周辺の汚染海水は拡散・希釈すると言われていたが、海水温度差のために混ざらずに、多少拡大しながらも日本沿岸に到達している。
現在の福島原発事故の政府対応の特徴は、放射能汚染の過小評価と情報の矮小化を基本姿勢としているために、事故処理が後手に回り、深刻化していることである。「ビキニ事件」も、第5福竜丸だけにスポットを当て、事件の実相を矮小化した政府対応が見られる。当時の資料や日本政府の公的記録を見ると、被爆マグロを廃棄した船は延992隻となっているし、これに「死の灰」をうけたがマグロを廃棄しなかった14隻を加えると延1000隻をこえる被災船となる。
水爆実験は、ビキニ・エニウェトク環礁で、1954年3月1日から5月14日まで6回行なわれていた。実験の回数が重なるほど大気や海水の汚染は深刻な状態になっていたが、漁船員らはスコールで体を洗い、雨水を利用し、海水風呂に入り、獲れた魚の内臓を食べたりした。これらのことが、体内被曝による晩発生障害で漁船員を苦しませる原因となった。
日 本 の 原 子 力 開 発 は 研究 者 の 意 見 を 無 視 し て 、
政 治 的 判 断 を 優 先 し て 強 引 に ス タ ー ト さ せ た とこ ろ か ら 大 き な 過 ち を 犯 し 、 現 代 の 福 島 原 発 事 故 に い た っ た と い え る 。
http://www.takagifund.org/upload/m_yamashita_bikini_201104.pdf